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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第38章 俺様に薬を飲ませるための代償/織田信長


「そうだ」

「何ですか?」

「これを……信長様に飲ませてくれ」


懐から取り出したのは三角に包まれた紙


「これは?」

「薬だ」

「薬……ですか?」

「いいか? よく聞け」


真面目な顔の光秀さんに圧倒されてしまいそう。


「御館様が病で倒れたとあっては非常にまずい」

「? どうしてですか?」

「愛香は事の重大さに気付いていないようだな」


蔑むように笑わないでよ
(まあ、光秀さんはいつもそんな感じだけどさ)



「信長様に敵が多いのは知っているな?」

「はい」

「信長様は病に倒れたと噂になったら……」

「あ……」

「いくら頭の弱い愛香でも分かるだろ?」


(頭の弱いは余計ですよ)


「この城にも間者が出入りしている。秀吉にバレたら大騒ぎになるだろ?」

「ですね」

「だからだ__秘密裏に信長様に薬を盛れ」



お願いだから普通に薬を飲ませろって言ってよ
すぐにそうやって誤解を招くような言い方をするんだから



「光秀さん……言葉が間違っていますよ」

「ん? すまないな。
つい、本音が漏れたようだ」


愉快そうに笑ってみせる光秀さんに、私は顔を引きつらせて笑うしかなかった。
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