第31章 君は俺の薬/武田信玄(信玄side)
なかなか引き下がらない愛香
それだけ俺の身を案じてくれているのが嬉しくて、つい悪戯心に火がついてしまう。
「しいて言えば……」
「?」
「ここが__苦しいかな?」
「っ……」
愛香の手を取り、はだけた胸板に直接触れさると分かり易いくらいに頬を染めていく。
その顔があまりにも可愛いすぎて、手放したくなくなってしまうな。
「……からかわないで下さい」
「からかってなんかいないさ。愛香に逢えたから嬉しくて心の臓が早く動いて苦しいのさ」
「もうっ」
「薬を飲まないとこの痛みが止まらない……」
「薬……?」
そう、薬は君だよ
君に触れるだけで、俺のもやもやとした自尊心が消えていくようだ。
愛香の笑顔が見れるのであれば、俺のつまらない自尊心なんて捨ててしまってもいい。
愛香を愛している
愛香と2人で新しい幸せを見つけたい
君は俺の我が儘を許してくれるかい?
この熱い想いを無かった事になんか
出来やしない。
俺の想いを受け止めてほしい
「薬をもらうよ」
「んっ……」
柔らかくて小さな唇に軽く触れるだけにしようと思ったが……
それだけでは満足出来ない
舌先で軽く刺激をしてやると、僅かな隙間が出来る。
ゆっくりと、愛香の反応を見ながら舌を入れて絡ませいく。
「まだ薬が足りないようだ……」
(もっと愛香に触れたい……)