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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第31章 君は俺の薬/武田信玄(信玄side)


我ながらガキだな


隠れ家に戻った俺は、ふて寝の最中
まったくみっともない。

そんな俺の姿を見たくないのか?
佐助はすぐに何処かへと消えてしまっていた。


諦めようとすればするほど、胸が焦がれる。

俺に自信があれば奪いさるのだが__
それが出来ないから苦しい



「信玄様……?愛香です」


愛香?
どうして此処がわかったんだ?

一瞬、悩むがすぐに佐助の仕業と理解した。
彼は彼なりに俺に気遣ってくれたのだろう。

ありがたいと思うが正直、困った。

愛香の顔をひとたび見てしまえば、俺の我が儘な感情が勝ってしまうだろう。


寝たふりをしてやり過ごすか……



返事をしないが、愛香が静かに部屋に入ってくるのが分かった。

俺の傍に座り様子を伺っているのも気配でわかる。
手を伸ばせは、すぐに触れる事が出来る

触れてはいけない__

思ったくせに
何故、俺は我慢出来ない?


「やあ、久しぶりだね」


強引に腕を引き寄せ、自分の体の上に愛香を乗せてしまっていた。

駄目な大人だ、俺は……

理性では彼女の幸せのために諦めようとしているのに、感情がそれを許さない。


「信玄様……?」

「君に逢えて嬉しいよ」


愛香を一目見ただけで自然と顔がほころんでしまうとは……
素直すぎる感情に困ってしまうが……





「……信玄様、具合が悪いって聞いたんですけど。大丈夫ですか?」

「うん?……大丈夫だよ」

ふて寝をしている俺の事を具合が悪いと表現したのか。

「本当に?」

「ああ」

「うそ……ですよね?」

「困った子だね。俺の言葉を信用してくれないなんて」





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