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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第29章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(秀吉side)


まったく光秀には参ってしまうが……

まあ、光秀の言う事も一理ある。
どうなるか分からないからこそ、今を大事にする__
頭では分かっているが、それでも決断出来ない。



気晴らしに書物を読んでみるが、まったく頭に入ってこない。


「何を読んでいるの?」

「ん? 別に」


愛香が戻って来たのも気付かないとは……



「ねっ……秀吉……」

「愛香……どうした?」


愛香の様子がおかしい。
なんだか思い詰めているように険しい表情


少しでも和らぐように頭を撫でるが、いつもと反応が違うな

そのうち俺を見つめて涙を流すとは
やはり、愛香も気にしているのか?



「ん……ひっく……」

「どうした? ん? 俺にちゃんと話してみろ」


泣いている愛香が愛おしくて、抱きしめてしまう。背中をさする手が他にも触れたくなる。


「理由もなく泣かれるのは……辛いな」


理由は十中八九__俺だろうな
俺がしっかりしないばかりに


「秀吉っ……」

「俺に言えない事か?」

「っ……」

「どうしたんだ?」


愛香の口から何を言われるのか
聞くのが怖い。


「……秀吉が……」

「俺が?」

「っ……わ、私に魅力がないから?!
それともっ! 『いんぽ』なの?!」

「……はあ?!」


ちょっと待て


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