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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第29章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(秀吉side)


「……そんなんじゃない? どういう意味だ?」


怪訝そうに眉にしわを寄せて俺を見てくる光秀
お前になんか喋ったら面白がってバカにするのは目に見えてる

言うわけないだろ。


「……ほう」

「んだよ?」

「女殺しの秀吉ともあろう者が小娘ひとり、手をだせないとは……面白い」

「な、何を言って!!」

「図星か……」


薄笑いを浮かべている光秀にこれ以上喋ったら墓穴を掘るだけだ。


そうだ。
俺ともあろう男が愛香を抱く事が出来ないでいる。

自慢じゃないが、今までにいろんな女を抱いた。

勿論、その時は本気で好いていた女たちだ。
何の迷いもなく女を快楽へと導いていた俺だが……


愛香を簡単に抱けないでいる。
初めて言葉で想いを伝えあった夜

__愛香を抱くつもりでいた。
甘い口付けを交わしあったあと

「秀吉が初めての人で良かった……」

小さな声で呟く愛香
あいつは俺に聞こえないと思って呟いたんだろうが、俺には聞こえちまった。

それを聞いた瞬間、何故か抱けなかった。

本気で愛香に惚れている。
愛おしくて胸が焦がれるような想いをした女は、愛香が初めてだ。

だからこそ、簡単に抱けない。


戦に出れば何が起こるか、わからない。
信長様のためなら死など問わない覚悟で臨んでいる俺だ。

そんな俺に抱かれてしまっては愛香が可哀想な気がしてならない。

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