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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第29章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(秀吉side)


「はぁー……参ったな」


文机にある書簡の内容が一向に頭に入って来ない。
考えるのは愛香の事ばかり。


「……どうしたもんだか」


頭を搔きむしるが、それで気持ちが落ち着くわけもなく__


「はぁー……」


出るのは溜息ばかり。


実は最近、少しばかりの悩みがある。
まあ、そのせいもあって眠れないんだが……



「秀吉、少し邪魔をするぞ」


俺の返事を待たずにずかずかと部屋に入ってくる光秀。相変わらず読めない笑みをしているな


「なんだ?」

「お前にしては珍しい失態だな」

「はあ?」


俺の目の前に突きつけられた書状
それは次の戦に備えての軍備を手配する記述がしてあるんだが


「どこが間違ってるんだ?」

「此処だ」


光秀が指さした場所に書いてあるのをよく見ると


「あ……米と馬を間違えてるな」

「どうした?……らしくないぞ」


小馬鹿にする笑い顔に多少のムカつきはあるが、自分の失敗だから仕方ない。


「夜の営みが激しくて睡眠不足か?」

「るせー……そんなんじゃねぇよ」


そうだ
愛香とはそんな間柄じゃない。



いわゆる清い関係っていうやつだ。
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