第28章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(夢主side)
「とりあえず、男の立場にしたら『いんぽ』なんて絶対に知られたくない筈だ。俺からそれとなく話しを聞くまで愛香は、黙ってろ」
「うん……わかった」
これはもう、私の手に負える問題じゃないよね。
でも、一体
どうして?
男の人との経験がない私にはさっぱりと分からない。
こんな時、スマホがあればググって見るのに。
戦国時代じゃ無理だよね。
でも、確か__
ストレスからでもなるって聞いた事があったような?
やっぱりストレスを抱えてるのかな?
抱えてそうだよね。
あの我が儘な信長様のお世話をしたりしてるんだもん。
それとも私に魅力が無いせいかな?
あれこれと考えながら部屋に戻ると秀吉が、真剣な顔をして書物を読んでいた。
「何を読んでいるの?」
「ん? 別に」
なんか……素っ気ない?
「ねっ……秀吉……」
「どうした?」
いつもと変わらない笑顔を私に向けてくれるんだけどそれがかえって切なくなる。
本当に私の事を抱かないのは……アレのせい?
それとも私に魅力がないから?
キス以上の事を求めてしまうのは……
いけないことなの?
秀吉と1つになりたいって思ってしまう私は、淫らな女なの?
「愛香……どうした?」
優しく私の頭を撫でる秀吉に言いたくても言葉が、でない。
考えれば考えるほど、胸が苦しくて涙が溢れてくる。