第28章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(夢主side)
「どこか痛いのか?
腹か? 頭か?」
突然泣き出した私を心配して、頭やお腹に手を当てて様子を伺ってくる秀吉
「ちがっ……」
泣いたら心配をかけちゃうと思っても涙が止まらない。無理に止めようとすると嗚咽だけが洩れてしまう。
「ん……ひっく……」
「どうした? ん? 俺にちゃんと話してみろ」
優しく抱きしめて私の背中をさすってくれる。
その手が愛おしいと思う
だから、その手で私を愛して欲しい
「理由もなく泣かれるのは……辛いな」
私だってはっきりと聞きたい
モヤモヤしてるんだったら、はっきりとさせた方が良いよね?
「秀吉っ……」
秀吉からちょっとだけ体を離して顔を見つめる。
涙が邪魔で顔が良く見えない。
涙を指で拭ってくれる優しさ
もし、私のモヤモヤとして悩んでいる事を言って関係に終わりがきたら__
どうしよう?
怖くなって言葉がでない。
「俺に言えない事か?」
「っ……」
「どうしたんだ?」
いつものドキドキとは違う。
秀吉に触れているのに胸が甘酸っぱくなるようなドキドキじゃない。
今、私のドキドキは真実を知る事への恐怖のドキドキだ。
でも、勇気をだして聞くしかない
「……秀吉が……」
「俺が?」
「っ……わ、私に魅力がないから?!
それともっ! 『いんぽ』なの?!」
「……はあ?!」