第28章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(夢主side)
「……嘘だろ。あの秀吉が?」
唖然としている政宗の言葉に頷いてしまう。
そう、あの秀吉__
女ったらし……
もとい、人ったらしの秀吉は、安土一モテる。
私が安土に来てすぐの頃は、毎晩違う女と閨を共にしていたんだから。
それが私と想いが通じてからは、他の女とは何もないはず(たぶん……)
秀吉を狙っている女は数知れず
信用はしてるんだけど__
でも!私はまだ秀吉とそういう関係になっていなくて……
つまり__
私に女としての魅力がない
という結論になってしまうわけで。
「お前ら褥は一緒なのか?」
「……うん」
「それで……口付けもないのか?」
「おでこにチュッは……してくれる」
矢継ぎ早やに質問されて、恥ずかしい
でも、政宗は茶化すわけでもなく真剣に聞いてくれるからつい答えてしまう。
「ねぇ……」
政宗の着物の裾を引っ張っり、小さな声で聞いてみる。
「私……女としての魅力無し……かな?」
「十分魅力的だ」
艶を帯びたエロ声で政宗に言われても、嬉しくない
(ちょっとはドキッとしたけど)
政宗にとって魅力的でも秀吉にとって魅力的じゃなかったら意味無くない?
「男として終わってるだろ」
「家康に『いんぽ』に効く薬草でも煎じさせるか?」
「?!」
ブツブツと独り言を言っている政宗の言葉に反応してしまった。
秀吉が……
い、いん……
言えない……