第27章 政宗VS照月/伊達政宗(政宗side)
『ちっ! しょうがないから今回は引いてあげるよ。
覚えてろよ!!』
おしっ!!
勝った!!
照月が退くのを見届けた俺は、心の中で拳を握りしめた。(絶対に愛香には知られたくない)
「もうっ……政宗ったら大人気ないよ」
「いーんだよ。ご主人様の場所を取る悪い子にはお仕置きが必要だ」
膝の上に頭を乗せると愛香の細い指が、俺の髪を梳くいあげてくる。
「くすっ……可愛い(まるで子供みたいにむきになって)」
「はあ? 何を言ってるんだ?
格好いいの間違いだろ?」
「いまの政宗は可愛いだよ」
この俺が可愛いだと?
格好いい俺を見せてやるよ
「愛香」
「なぁに?」
「おかえりの口付けは?」
愛香の瞳を熱く見つめているのが自分でも分かる。
愛香に触れたくて、疼くのを止める気もないしな。
「……っ(急に大人の顔をしないでよ)」
躊躇いがちに俺の額に口付けをしてくる愛香の顔は、ほんのりと紅くて妙な色気を放っている。
「そこじゃないだろ__此処だ」
愛香の指をとり、ゆっくりと俺の唇をなぞらせる。
「っ……」
微かに動く唇にゆっくりと重ね、愛香の唇の感触を味わっていく