第23章 でざーとを先にいただきます/石田三成(三成side)
私の意味するところが分からないあなたは、お膳と私の顔を見比べていますね。
首を傾げて考え込む仕草も愛らしいとは……
私にとってあなたは天女のようです。
「確か……愛香様の時代では食後に甘い食べ物の食べる事を『でざーと』っと言うのでは?」
「うん、そうだよ。よく覚えていたね」
そしてもう一つ意味がありますよね?
愛香様はお忘れのようですが、でざーとを食べるもう一つの意味。
自分へのご褒美__
私の言葉の意味は後者の方ですよ。
愛香様を食べたいと思ってしまいます。
「でざーとはありますよ」
「ん?」
そっと愛香様の手を握り、手の甲に口付けると熟れたトマトのように頬が染まっていく愛香様。
その顔を見ているだけで、胸の中が甘酸っぱい気持ちになってしまいます。
「いただいてもよろしいですか?」
(あなたを……)
「……んっ」
返事が待ちきれない私は軽く愛香様の唇に重ねてしまいます。
「……三成くん?」
「愛香様は甘いですね」
どんな極上の甘い食べ物よりも私にとって1番甘くて美味しいのはあなたです。
「もっと頂いてもよろしいですか?」