第22章 でざーとを先にいただきます/石田三成
「すみません、愛香様」
「え?」
「書簡を読むのに夢中になってお相手もせずに失礼しました」
「お仕事中だから気にしなくてもいいよ。
でも……」
「はい?」
「ちゃんと食事だけでもとって……ね?」
一瞬、え?っていう顔をした三成くんだったけど、すぐにいつもの柔らかい笑顔で
「はい、1日1回は食べるようにしますね」
……お願い。
1回じゃなくて3回食べてほしいんだけど。
でも、三成くんらしい答えだなっと思ってしまうと笑みがこぼれてしまう。
「この食事は愛香様が?」
「あ、うん。私が作ったんだけど……美味しくない……かな?」
料理にはあまり自信がないから、ちょっと不安。
本当なら政宗さんに味付けだけでもみてもらいたかったんだけど(捜している時に限って見つからないんだもん)
「いいえ。優しい味付けでホッとします。愛香様の人柄が現れている料理ですよね」
お尻の辺りがムズムズするような褒め言葉に、どう返事を返していいのか分からなくて俯いてしまう。
三成くんの褒め言葉って時々的を射てるような得てないような?
「こんなにも美味しい料理はゆっくりと味わって食べないと勿体ないですのですが……」
「ですが?」
「先にでざーとを頂いてもよろしいでしょうか?」
え?
デザート?