第22章 でざーとを先にいただきます/石田三成
「三成くん、お食事を持ってきたんだけど……」
「……」
「……三成くん?」
夢中になって書簡に目を通している三成くんには、私の声が届いていないみたい。
うん、分かってたよ。
三成くんは、1つの事に夢中になると周りが見えなくなっちゃう人なんだよね。
だから放っておくと食事を抜くのは当たり前だし、睡眠さえ取らなくなってしまう。
いくら秀吉さんが言っても直らない。
「そんな事してたら今に体を壊しちゃうよ」
本当なら無理やり書簡を奪いとって、きちんと休憩を取って貰いたいんだけど三成くんの仕事の邪魔はしたくない。
だから、せめて食事だけでも栄養のあるものを食べてもらいたくて作ってみたんだけど……
それさえも無理っぽいかな?
でも、食べてもらいたいし……
暫く考えて1つの結論にたどり着いたんだけど、試してみてもいいかな?
お膳にある卵焼きを三成くんの口に近づけてみると、自然に口を開けてもぐもぐと食べはじめてくれた。
うわっ
か、可愛い。
なんか小動物に餌付けでもしているみたいな感じ。
三成くんを見てるだけで心が温かくなる
とても癒やされるんだもん。
このままずっと三成くんを見つめていたいな