第22章 でざーとを先にいただきます/石田三成
言っている意味が分からなくて、お膳と三成くんの顔を見比べてしまう。
「確か……愛香様の時代では食後に甘い食べ物の食べる事を『でざーと』っと言うのでは?」
「うん、そうだよ。よく覚えていたね」
前に三成くんに聞かれた事があったんだ。
現代での習慣とか言葉の使い方とか。
その時に食後に食べるデザートの意味も教えたんだった。
甘い物を欲しがるなんて、やっぱり疲れている証拠だよね?
「じゃあちょっと用意してくるね」
立ち上がろうとする私の腕を引き、また座ってしまった。
「どうしたの?」
「でざーとはありますよ」
「ん?」
純粋無垢な笑顔が私に向けられて、なんだか恥ずかしくなってきちゃう。
まばたきもせずに私を見つめる瞳は、いつもと違う気がする。なんだか艶っぽいような?
三成くんの手が、ゆっくりと頬を撫でていくだけで鼓動が早くなってきてしまう。
「いただいてもよろしいですか?」
「……んっ」
軽く私の唇に三成くんの唇が重なって、離れていく。
「……三成くん?」
「愛香様は甘いですね」
もしかしたら?
デザートって?
「もっと頂いてもよろしいですか?」