第21章 甘いお仕置き/織田信長 豊臣秀吉
あの後、米粒を持ってきてくれた三成くんと2人で直したんだけど……
信長様と秀吉さんが私を呼び付けるって事は……
茶器の件がバレたっていう事だよね?
「愛香様? 早く……」
信長の家臣が急かすが、正直に言うと行きたくない。
怒り狂った信長が怖い。
先ほどまでは現代に帰りたくないと思っていた愛香であるが、今は違う。
今すぐにでも雷が落ちて現代に帰してほしいと切に思う。
お願い、神様!!
今すぐに現代に帰してよっ!!
聞こえてくる筈もない雷を待ちたい気持ちでいっぱいであるが、空は雲1つない晴天。
間違っても雷など来るわけもない。
「さっ! 愛香様!!」
「いやっ……ちょっと待って! 心の準備が……」
そんな愛香の気持ちを知らない家臣は、強引に愛香の背中を押して天守閣へと向かわせる。
そうしないと自分の命が危ないからだ。