第21章 甘いお仕置き/織田信長 豊臣秀吉
秀吉の部屋を掃除している時に、うっかりと飾ってあった茶器を壊してしまったのだ。
割れた茶器を呆然として見ていると、そこへ三成がやって来て
「その茶器は信長様から頂いた物で、秀吉様はたいそう大事になさってる物ですよ」
「ちょっ……どうしよう?! 三成くんっ!!」
秀吉が主君である信長を大事に思っているのは愛香でも分かる事。
信長第1に考え、行動する秀吉のことだ
信長からの贈り物を壊したとなれば、普段は温厚な秀吉とて烈火の如く怒るのは容易に想像がついてしまう。
どうしよう?!
自分が悪いのだから怒られてしまうのはわかる。
それについてはあまんじて怒られる覚悟はあるのだが、嫌われてしまうのが怖いのである。
半ベソ状態の愛香
そんな愛香を助けるべく三成は、とある秘策を思い付く。
「米粒で直しちゃいましょう!」
「え?」
「大丈夫ですよ。バラバラになったわけではないのでくっつけてしまえば分かりません」
あどけない笑顔を愛香に向けると、三成は米粒を取りに部屋を出ていってしまった。
本当に大丈夫なのかな?