第21章 甘いお仕置き/織田信長 豊臣秀吉
穏やかな陽射しのもと、愛香は政宗に頼まれていた着物を縫っていた。
戦国時代にタイムスリップをして早数ヶ月。
ようやっとこの時代にも慣れ、それなりに充実している日々を送る愛香。
最近ではもう現代に戻れなくても良いような気がしてきている。
勿論、それには彼女なりの理由があるのだが……
「愛香様!! 大変です!!」
血相を変えた信長の家臣が愛香の元にやって来た。
「どうしたの?」
「信長様と秀吉様が!!」
「?__信長様と秀吉さん?」
「急ぎ天守閣までおいで下さい!!」
何が起こったのかわからない愛香は、首を傾げるばかり。
家臣が言うにはこうだ
信長と秀吉が言い争いをしていて、どうやら話の中心に愛香がいるようで、急ぎ愛香を呼ぶように言われたそうだ。
「なんで私?」
「さあ? とにかく愛香様を呼ぶようにと」
呼び付けられる理由が皆目見当がつかない愛香は、首をひねるばかり。
なんで私?
私……なんかしたっけ?
ん?
……?!
呼び付けられる理由を脳内で検索していると、愛香の頭に浮かぶ「茶器」という言葉。
まさか?
バレた?!
見る見る間に顔が青ざめ、恐怖で背筋が震えだす。
彼女には1つだけ思い当たる事があったのだ。
それは「茶器」