第20章 ワインのお味は?/真田幸村(幸村side)
「へー……これが南蛮からの酒ねぇ……」
盃に注がれた「わいん」とやらの香り
そして色
眉間にしわが寄るのがわかる。
これは……佐助が作ったブドウ酒とやらに似てるようだ。
でも、こっちのが甘さがないように感じるから違う飲み物だろ。
一抹の不安があるが__
まあ、大丈夫だろ
「んじゃあ吞んでみっか」
一気に呑み干すと
うわぁ~
やべー……
世の中がぐるぐると回るぜ。
やべー
体が鉛のように重たくてたまらない。
体を支えるのも正直……つらい
思わず愛香の膝に頭を乗せ、横になると楽だし
何より「やわらけーな」
「……幸村?」
「おー……」
返事をするのも億劫
まぶたも重くなってるし
でも__
なんだか気分が高揚してくる。
「酔ってる?」
「あー……? おれが酔うわけ……ねーだろ」
酔っぱってるとは思われたくないが……
なんか口付けをしたくてたまらない気分
躰も心も熱っぽい
(まだ愛香に触れてもいないのに半勃起状態なんだけど?)
「なあ……愛香……」
愛香の頬を手のひらで包むように触れていると、俺の手のひらに軽く口付けを落としてくる。
「お前が……好きだ」
普段は恥ずかしくて言えない俺だが……
ほろ酔い気分の俺は恥ずかしげもなく言ってしまう。