第20章 ワインのお味は?/真田幸村(幸村side)
「これはねワインだよ。幸村はワインを吞んだ事ある?」
「いや、ないけど」
「じゃあ、一緒に呑もう」
わいん?
南蛮の酒だろ?
うーん
マズイような気がする。
自慢じゃないけど俺は酒は強い方だと思う。
小さい頃から信玄様に付き合って吞んでいたし、1升吞んでも潰れた事はねえ。
でも、この前
佐助がブドウから作ったという酒を吞んだらすぐに酔い潰れちまった。
「幸村とブドウは相性が悪いみたいだな」
「はあ? そんな事があるのかよ」
「希にあるんだ。とりあえず、幸村はブドウ酒は呑まない方が良いと思う」
佐助とのやり取りを思い出していた。
わいんとやらが何で作られてるのかはわからねーが……
南蛮からの酒だろ?
大丈夫か?!
愛香の前でみっともなく酔い潰れのだけは避けたいぜ。
それにこの酒は誰から貰ったんだよ?
コイツの事だから多分……
「信長から貰った物なら口にしたくねーよ」
顕如の件で共闘したとはいえ信長は倒すべき敵だ。
そのために俺はまだこの安土に残って信長の動向を探っているんだからな
「そっか……そうだよね」
分かりやすくらいに項垂れる愛香。
やべー
泣かしちまったか?