第18章 ワカメ酒/上杉謙信陣営
謙信と信玄__
お互いを牽制しあっているが、先に動いたのは謙信。
「愛香……こっちに来い」
「?……はい」
謙信に呼ばれ、立ち上がるものの
「あれ?(なんだかふわふわする……?)」
元々お酒はあまり強くはない愛香。
ましてや、日本酒と佐助お手製のワインを吞んだ事もあって自分の限界は超えていたのだ。
更に歩いたものだから一気にお酒がまわり……
ふらふらと千鳥足で謙信の元へ歩いていく。
「あ……」
後もう少しのところで謙信に腕を引かれ、ぽすんっと膝の上に着地。
「酒は美味かったのか?」
「はい! とても……」
誰が見ても明らかに酔っている愛香。
頬や耳、胸元まで桜色に染まり
潤んでいる瞳は、熱を帯びている。
「そうか……満足したのか」
「はい……」
「では、俺の事も満足させて貰おうか?」
「ん?」
謙信の言っている意味が分からない愛香は、目をパチパチとさせ謙信を見つめてしまう。
「(酔っている愛香を手籠めにするのも面白いが……)」
何かを企んでいる謙信の妖しい笑み。
その笑みの意図が分かっていない愛香は、素直に微笑み返しをしてしまう。
「ふっ……(純粋無垢な笑みを浮かべていられるのも今のうちだけれどな)」
これから愛香にする行為を思い浮かべるだけで、ぞくぞくとする謙信であった。