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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第16章 叶わぬ想い/豊臣秀吉


背中に熱い視線が突き刺さるのを、愛香は感じていた。
その視線の主を確認しようと振り返ろうとすると


「気付かぬ振りをしろ」


小声で囁き、愛香を抱きしめる信長。


「え?」

「貴様も分かっているだろう?」


信長には分かっていた。
視線の主が誰なのか

分かっているからこそ、気付かぬ振りをする。
信長に忠誠を誓っている彼だからこそ
気付かれたくはないであろうと

それに誰であろうと愛香を渡すつもりはない。
信長にとっては生涯をかけて愛する女__


愛香に手を出す者がいるならば、たとえ秀吉であっても迷わずに斬ってすてるつもりだ。



「応えてやれないのなら知らない振りをしろ」

「……(そうだよね……信長様の言うとおりかもしれない。私は信長様以外の人からの想いには応える事は出来ないもの)」


信長の背中に腕を回し、逞しい胸に顔を埋めていると、あごをくいっと持ち上げられた。

信長の瞳は、まるで炎のように揺らめいていて目が離すことが出来ない。


「そうだ……貴様は俺だけを見つめていればいい」



満足気に笑みを浮かべるとそのまま唇を重ね、舌を絡ませる濃厚な口付けを交わし合った。


(ごめんなさい。私は信長様しか見れないの。
信長様を愛しているから)

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