第2章 嵐の夜のおあずけ/伊達政宗(政宗side)
自分の部屋に連れて来て、布団の上に寝かさせ横向きのまま抱きしめた。
もぞもぞと動きながら俺の背中を押し始めるということは?
どうやら俺に乗っかってもらいたいらしいな
言葉ではなく態度で示すとは可愛いすぎるだろ
「ふっ……」
思わず鼻から息を抜くように笑ってしまったぜ
「俺を感じたいのか?」
「うん」
「今日はずいぶんと素直だな」
「だって……」
頬をうっすらと染め、まだ涙で潤んでいる瞳が真っ直ぐと俺を見つめてくる。
そんな風に見つめられたら理性なんか吹っ飛んじまう。
今すぐにでも思いっきり抱きしめたいが、余裕のない俺を見せるのはイヤだ。
(いつでも愛香の前では余裕のある格好良い俺でいたいんだよ)
心ではそう思ってはいるんだが
身体は愛香に触れたがっている。
愛香が居なくなってしまうかも……
そんな事が頭を掠めたばかりだったから
どうしても愛香の存在をこの身体で感じたい
「政宗はどうしてあそこに居たの?」
偶然出会ったと思っているのかよ
まったく
「俺の居ない所で泣いてるんじゃねーよ」
頬から唇にかけてなぞるように指をスライドさせていく
そんな小さな行為でも愛香は、惚けたように吐息を洩らす
「ンっ……」
もう我慢の限界だ
全体重をかけて愛香を強く抱きしめる
「離れたくないよ」
「手放す気はない」