第10章 あくまで反対だからね
「今日も祥吾君は休みか…」
「サボりでしょ」
新学期が始まって数日が経ち、入学式も終わった。ということは新入生も沢山入部してくるわけであって、二軍・三軍のマネージャーは普段より忙しそうにしていた。
一軍マネージャーの私とさっちゃんはというと、今年は征十郎たちのようにいきなり一軍に入る子はおらず、何一つ変わらない日々を過ごしている…ように見えてそうでもなかった。
「祥吾君もバスケのセンスは凄いんだから真面目に練習したらいいのに」
「サボってもどうせ後から修ちゃんにシメられるのにね」
私たちが頭を悩ませる要因は、祥ちゃんだ。
元々サボりや遅刻の常習犯であった彼は、二年生になってから更にその頻度が増えた。
一応、いないと分かった時点で私たちで探しにはいくのだが、見つけたことは一回もない。
「まだ伸びしろはあるんだけどね…」
真面目に練習さえしていれば、他の四人、所謂『キセキの世代』たちにも劣らずもっと上手くなることは、私の分析がなくともわかりきっていることだ。
「そうだよね…。…あ、カスミン。ここはどうするの?」
「ん?あー、ここは個人と全体のパーセンテージを出して…」
「なるほど…」