第10章 あくまで反対だからね
「クラス表が見えなくて困ってるの」
「赤ちん、藍ちんおはよー」
ナイスなタイミングでこういう時に最適な人物がやってくる。
「おはよう」
「あっくん、おはよう。早速で悪いんだけど私のクラス見てもらってもいいかしら?」
「んー。いいよー」
あっくんは特に前に乗り出したり背伸びをしたりせずに、前方の掲示板に目をやった。
「藍ちんはー、E組。赤ちんはA組だねー。俺は藍ちんの隣のD組ー」
「離れちゃったわね」
「寂しいのかい?」
「全く」
私が間髪入れずにそう答えると、征十郎は少し寂しそうに笑う。
どちらかというと征十郎の方が私と離れて寂しいんじゃないの?と思ったが、それは口には出さなかった。