第9章 私も行く
え…?伯父さんが…?
え、だってついこの間まで順調に回復に向かってる、って。
修ちゃんだって心配いらない、って言ってたのに。
『華澄!?華澄、聞いてるの?!』
床から聞こえる母の声にハッとして、携帯を拾い上げた。
そしてそのまま母との通話を切り、私は修ちゃんの教室へ走った。
私が二年生の教室のある階に着くと、ちょうど修ちゃんと出遭った。
「修ちゃん!」
私が何を言いたいのかわかっているのだろう、修ちゃんは今にも泣き出しそうに辛そうな表情をして私を見た。
「華澄。俺は部活休んで今から親父ンとこ行ってくるわ。コーチにも伝えといてくれ」
「そんな…!私も行く」
「ダメだ」
ぴしゃりと修ちゃんに言われてしまい、私は言葉を失う。
「ホントなら俺が休むこと自体許されることじゃねぇ。だが、今は状況が状況だ」
「だったら、私だって…」
修ちゃんは譲らず、首を横にしか振らない。
「お前までいなくなってどーすんだ」
「征十郎がいるわ。さっちゃんもいる」
「全員の身体管理は」
「それは…」
分かってる。
私はマネージャーである以上その勤めを果たさなくてはいけない。
私が部活に行かないだけで、一軍の全員に迷惑をかけてしまう。