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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第8章 誰の顔も浮かんでこないわ



「本命は誰なんだよ」

「…それ、さっちゃんにも言ったけど。本命なんていないわよ」

「まじかよ!?主将とか赤司とかちげーの!?」


何でそこで修ちゃんと征十郎が出てくるのかさっぱりわからない。


「そんなわけないでしょ」

「あ?何だよ、つまんねーな」


そんなこと言われてもこちらが困る。いないものはいない。

それにこう言うのもなんだが、毎日部活ばかりで恋愛なんてしている暇などないし、正直初恋もまだだ。


「赤ちん、どんまーい」

「紫原。いい加減赤司が怒るぞ」


あっくんと真ちゃんの言っていた意味は全く持ってわからないが、ちらりと征十郎に目を向けると確かになんだか不機嫌そうではある。


「ほ、ほら。皆!練習再開するよ?」


さっちゃんが慌てたように言うと、皆練習に戻っていった。


「なんなの…」

「……」


鈍いな、とさっちゃんが小さく呟いたのは、私の耳には届かなかった。

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