第7章 そういうことだったのね
「もう鼻血は止まったか?」
「はい」
コーチが声を掛け、テツ君が立ち上がる。
『帝光、選手交代です』
テツ君と交代で修ちゃんがベンチに戻ってきた。
「いい加減そのすぐ熱くなる癖どうにかしたら?」
「お前もいい加減その生意気な態度どうにかしろよ。俺、一応先輩」
修ちゃんにドリンクとタオルを渡しながら、スコアに集中すべくコートから目を離さずに私が嫌味を言うと、修ちゃんも私に目もくれずに嫌味で返してくる。
と、その時。
征十郎から回ってきたパスをテツ君が中継してあっくんに回す。が、うまくタイミングがかみ合わず、ボールはコートの外に出てしまった。
「あのさー、何今の…ふざけてんの?」
「ふざけてません」
「ヒネリつぶすよ?」
「ヒネリつぶさないでください」
「やめるのだよ、紫原」