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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第27章 逃げない



「…藍川さん」

「!…て、テツ君…」


体育館へ向かう途中で、テツ君と会った。

バスケ部を辞めてから、ほとんど学校にも来ていなかったが、卒業式には出ていたようで、少し安心した。

それでも、私は彼に顔向けすることができず、俯いてしまう。


「(…ダメよ、絶対に泣いてはダメ…。私に泣く権利なんてないんだから…)」


浮かび上がってくる涙が零れないように、ずっと俯いていると、テツ君が一歩こちらに歩み寄った。


「正直、藍川さんはずっと僕と同じ気持ちで彼らを見ていると思っていました。でも、三年生になってからはあなたも変わってしまった」

「……」


何も言えない。

テツ君が言ってることは事実。

私は自分が傷つくことを恐れて、逃げ続けた。


「僕はもう逃げません。最後にそれだけ伝えておきたかったので…ではまた」

「…っテツ君!」

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