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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第27章 逃げない



私は頭にあった腕をダラリと下げ、ポケットの中に入ったままの片手の手をグッと握りしめながら唇を強く噛んだ。


「…わかったわ。あなたについて洛山へ行くわ」


私は、逃げない。

いや…逃げてはいけない。

私の過ちゆえに変えてしまった想い人を、生み出してしまったこの怪物を元に戻す義務がある。


「そうか。では、僕はもう行くよ。…それともう一つ」

「まだ何か用?」


非常階段の入り口のドアに手を掛けながら、彼は続けた。


「このことは一切他言無用だ。お前が洛山へ行くということを誰にも知られるな」

「はあ?それってどういう…」

「いいな」


征十郎は冷たい目で私を見下ろした。

私は、声を出すこともできずに、ただ頷いた。

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