• テキストサイズ

青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第27章 逃げない



翌日もその翌日も、私は毎日のように進路指導室へ呼び出しを食らった。

その度に私は先生に頭を下げ、「今月中には決める」と言って出て行く。

そんな毎日の繰り返しだ。


「あーいちーんー」


久しぶりに聞く、間の伸びた声。


「あっくん…」


彼にしては珍しく駆け寄ってくる。

去年の秋の征十郎との一件以来、彼が自分から私に話しかけることなどなく、正直、ギョッとした。


「どうしたの?」


私が問いかけると、あっくんは少しだけ微笑んで、背中に隠した何かを私に見せてくる。


「じゃーん。俺、陽泉に決まったんだー」


あっくんが見せてきたのは、推薦の合格通知。

学校名は「陽泉高校」と書かれている。


「陽泉って…秋田の?凄いじゃない、おめでとう」


私は笑顔を張り付け、あっくんを見た。

すると、あっくんは顔を赤らめて少し視線を逸らして言った。


「それでさ…藍ちん、まだ高校決めてないでしょー?良かったら俺と…」

「華澄」


あっくんが何か言いかけた時、あっくんと向き合っていた私の後ろから誰かが呼ぶ。


この声は…。


/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp