第27章 逃げない
『…んで?お前は黄瀬と仲直りしてーのか?』
「そんなわけないじゃない」
その日の夜。
私は現在アメリカにいる従兄、修ちゃんと電話をしていた。
国際通話になってしまうため、頻繁に連絡は取れないが、こうして時々連絡をくれる。
あちらに行ってから伯父さんの容体は順調に回復しており、修ちゃんもこちらでいう夏休み明けからあちらの高校へ通っている。
バスケはストバス程度にしか続けていないらしいが、伯父さんが回復し次第、また本格的に始めたい、と話していた。
『っつーかよー。お前こっち何時だと思ってんだ。六時だぞ、六時』
「早起きは体にいいのよ」
『そーゆーこっちゃねーよ』
日本とアメリカの時差は難しく、私はこうしてたまに修ちゃんの睡眠を邪魔してしまうこともしばしば。
それでも修ちゃんは毎回、電話に出てくれる。
『ま、確かにな。華澄の言いたいことはわかる。あいつらのやってることは俺がいたらぜってぇ殴ってるレベルだ』
「だけどやっぱり全部悪いのは私で、責任は私にあるのよ…」
『……』
そう、全ては私の責任。