第27章 逃げない
「今日も休みらしいッスよ」
「あ?」
黄瀬が徐に口を開いた。
「黒子っちっスよ。ほとんど学校にも来てないみたいって。引退の日も結局顔出さなかったし、大丈夫ッスかね?」
…大丈夫?
そんなわけないじゃない。
「まあ卒業はできんだろ。今までほぼ皆勤だったらしーし」
「そーゆー問題じゃないっスよ!桃っちが何度か家行ったらしいけど全然出てくれないみたいだし…」
―バチンっっ
気づけば私は黄瀬の頬を叩いていた。
「…全部、全部あんたのせいじゃないっ!あんたがいつも変な賭け事を持ち込んでくるから…そうよ!あんたがバスケ部に入った時から全部変わっちゃったのよ!あんたさえいなければこんな事にはならなかったのに…どうして…っ、どうしてあんたなんかがバスケ部に入ったのよ!!」
私の中で何かが弾けた。