第26章 色を失ってゆく
聞いていくうちに自分でも顔が青ざめていくのが分かった。
「…ちょっ…何言ってるの…?流石にそれは…。征十郎も止めて…!」
その何とも言えない内容に、私は征十郎に助けを求めるように言った。
「…ふむ。いいじゃないか。ただの点取りゲームよりはるかに楽しめそうだ。それに今からの相手にもうってつけだ」
「征十郎?!それじゃ話が違…っ」
「何か不満でもあるのか?勝てれば内容は関係ない、どうせなら楽しんだ方がいいだろう?」
「……っ」
…違う。
私は…。
『それではこれより決勝戦。帝光中学校対明洸中学校の試合を始めます』
コートへ向かっていく皆の背中が遠い。