• テキストサイズ

青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第26章 色を失ってゆく



「どうしたのだよ、黒子」


突然立ち止まったテツ君を訝しげに真ちゃんが見る。


「生徒手帳です、先程すれ違った高校生の人たちの。多分隣の第一体育館に行っていると思います。戻って届けてきてもいいですか?」

「わかった。この後ミーティングだ、早く戻れ。桃井も一緒に着いていってくれ」

「あっはい」

「遅くなるようなら連絡を」


征十郎に言われ、さっちゃんはテツ君と一緒に第一体育館の方へと戻って行った。


「相変わらず真面目だよねー。黒ちんのことだからどーせ色々言ってくるとは思ったけどー」


二人が行った後、あっくんが言った。

おそらく彼がテツ君を真面目と言っているのは、生徒手帳を届けに行ったことではなく、試合のこと。


「黒子っちだから仕方ないッスよ。あーゆー遊びに関して理解なさそうだし」


…理解がない?

違うでしょ。

理解がないのはあんたたちじゃない。


「(バスケを…なんだと思っているの…?)」


少しずつ怒りが溜まっていき、私は立ち止まる。


「っと。どーしたんスか、藍川っち。急に止まったら危ないッスよ」

「誰が言い出した」

「え?何て?」


突然立ち止まった私に、黄瀬が後ろからぶつかる。

/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp