第26章 色を失ってゆく
圧倒的強さを見せつける『キセキの世代』が怪物と呼ばれていることは、ギャラリーからも対戦校からも聞こえていた。
それほど強くても誰も笑わない、勝利というノルマをただこなしていく…。
そんな彼らを見ても、もう今の私は何も感じなかった。
…それが当たり前だったから。
続く、予選二回戦。
「ぐぁっ、滑った!?」
「もーらいー」
…?
何か様子がおかしいのはすぐに分かった。
「横取り!横取りッス!」
「外す方が悪いんでしょー?」
「どっちにしろオメーがダントツビリだろーが。今んとこトップは俺と赤司」
「こっから巻き返すっスよ!」
まさか、遊んでる…?
誰が一番点を取れるかを競い合ってるの?
チーム内で?
「(そんなふざけた真似…)」
許されるわけがない。
それでも…これさえも受け入れろというのだろうか。