第26章 色を失ってゆく
三年生になってからの私は完全に勝利至上主義の部に染まらざるを得なかった。
そして、彼らの愚行ともいえる振る舞いを当たり前のように受け入れた。
さっちゃんとテツ君はいまだ受け入れられず、変わっていく私たちを哀れに見ていたのだろう。
でも、極々稀に連絡をくれる修ちゃんと会話したり優ちゃんと過ごしている間だけは素の自分でいられた。
そのおかげで、私は自分の変化に戸惑うこともなく受け入れられたんだと思う。
「明日から全中予選が始まる。皆気を引き締めて臨め」
そして、夏が来た。
中学最後の夏が。
*
「うわっっ」
「うわぁあ、アリウープ!三人蹴散らした!?」
全中地区予選の緒戦。
私は帝光のジャージを羽織り、ベンチに座っていた。