第25章 行ってらっしゃい
そっか、私はこんなにも心配をかけていたのか。
きっと修ちゃんも、ママもパパも…。
「ごめんね?」
「謝るくらいならケーキでも食べてよ!そんで太ってよ!」
「ふふっ、そうするわ」
私は、まだ一人じゃない…ってそう思ってもいいのかな。
目の前にいる優ちゃんが友だちで良かった、って心からそう思った。
私は追加注文でショートケーキを頼み、それを口に運んだ。
久しぶりの甘ったるさが、どこか心地よかった。
*
あれから優ちゃんには、ゆっくりだけど全部話した。
皆が才能を開花させたこと、それからチームに歪みができたこと、私が怪我をしたこと、バスケ部全体が変わってしまったこと、だから私自身も変わらなくてはいけないこと、征十郎が変わってしまったこと、…そしてそれでもまだ彼のことが好きだということ。
優ちゃんは何も言わずに聞いてくれた。
「…優ちゃんに話したら、なんだかスッキリしたわ」
「何か…思ったより壮絶でついていけない自分がいるんだけど…」
「これから私は…あの人たちに順応して変わっていかなくちゃいけないわ。それでも、友だちでいてくれるかしら…?」
「当たり前じゃん!私は華澄の本当の気持ち知ってるし、上辺だけの変化で嫌いになったりしないよ!話聞くくらいしかできないけど、また何かあったら絶対話してよね?私は華澄の味方だから!」
「ありがとう」
優ちゃんのおかげで、私は少しずつ笑うことができた。