• テキストサイズ

青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第25章 行ってらっしゃい



「…あら、優ちゃん」

「同じクラスだよ!一年間、よろしくね!」

「うん。こちらこそ」


去年の帝光祭で仲良くなった、優ちゃん。

彼女も実は成績上位者だったらしく、特進クラスに割り振られていた。


「…あれ?華澄…なんか痩せた?」


私の顔をまじまじと見て、優ちゃんは心配そうに言う。


「…痩せたと言っても少しだけよ?心配ないわ」

「そう…?」


優ちゃんの言う通りだ。

去年の秋から食事が喉を通らなくなり、眠りも浅くなった。

修ちゃんがアメリカへ立ってからは特に。

おかげでこの半年間で体重は激減。

母にも拒食症なのではないか、と散々心配された。


「華澄が大丈夫ならいいけど、何かあったらいつでも相談してよね?」

「ありがとう」


屈託のない笑顔を見せる優ちゃんに、これ以上余計な心配を掛けたくなくて、私は無理に笑顔を張り付けた。


…ああ、こんなにも笑うというのは疲れるものなのか。

前はもっと自然に笑っていたはずなのに。


久しぶりに使った頬の筋肉が少し痙攣したのが自分でもわかった。


「そうだ!今日、バスケ部って部活ある?」


優ちゃんは何か思いついたように問いかけてきた。


「今日は休みよ。どうして?」

「一緒に帰ろうよ!ついでに寄り道もしてさ!」


暫く修ちゃん以外の人と一緒に帰ることも、誰かと寄り道することもなかった私は、戸惑いながらもそれを承諾した。

/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp