第25章 行ってらっしゃい
えーっと、いま日本が午前一時だから…あっちは午前九時?
たった一言のメールだったが、それでも私は安心し、返信を打った。
『無事に着いて安心したわ。そっちは治安が良くないらしいから気を付けてね』
英語はほとんどできない修ちゃんだが、こちらを立つ一か月前はそれなりに勉強していた。
まあ、あの修ちゃんのことだから何があっても大丈夫だろう。
なんて考えていた、半日経った午後一時。
伯母さんから私の母に電話があったらしく、その内容を夕飯時に父と一緒に聞いた。
「修ちゃんったら、あっちで迷子になってしまったんですって。その上、ひったくりに遭って携帯も壊れて、連絡が付かなかったらしいの」
「修造も散々な目に遭ったな」
「それだけじゃないのよ!あの子ったら迷子の間に賭けバスケまでやってたらしいの。お義姉さんってば聞いた瞬間に倒れるかと思った、って言ってたわ」
「アハハッ、修造らしいじゃないか」
…確かに。
修ちゃんらしいといえば修ちゃんらしいが、馬鹿じゃないの?