第3章 マネージャー志望
私が声を不意に声を出してしまったためか、隣の席の男の子は顔をあげ、私をじっと見た。
「…あなた確か、代表挨拶してた人よね?」
名前は、えーっと、赤司征十郎だったはず。
「ああ、そうだが」
「へぇ。隣の席だったのね」
「そのようだね。よろしく」
「よろしく」
代表挨拶をするくらいだ。きっと頭がいいんだろう。話し方からしてもそんな雰囲気を醸し出している。まあ、私には関係のないことだけど。
――この時の私はまだ知らなかった。
この先、この隣の彼と大きく関わっていくこと。彼らと充実した日々を送ること。
…そして。
悲しくも酷すぎる未来が待っていることを。