第25章 行ってらっしゃい
十二月。
修ちゃんは私の家に住み始めた。
「華澄、帰んぞ」
校門まで行けば、いつものように修ちゃんは待っていてくれる。
「修ちゃん…やっぱり悪いわ。一人で帰れるし…」
「またその話かよ…」
家までの道のりで私はいつものように修ちゃんに言う。
「…こないだの新人戦はどーだったんだよ」
「……」
先月末とつい先日に分けて行われた新人戦。
言うまでもなく、結果は圧倒的強さで帝光は優勝。
だが、ここで修ちゃんの言う「どーだった」は結果のことではない。
「…何も変わらないわよ。誰一人笑わない…。私、もうあのジャージ着てベンチに座るのが嫌になっちゃうわ…」
「…そうか」
「練習もね、大ちゃんとあっくんに続いて黄瀬も来なくなったの」
「……」
征十郎と真ちゃん、テツ君は相変わらず練習に来ているが、その練習も連携を意識したメニューは一切なくなったし、どちらかといえばずっと自主練をやっているかのようだ。