第24章 誰でもない私のせいで
が、それを強い力で引き戻されてしまう。
「…っんの、馬鹿っっ!!何やってんだっっ!!!」
ゆっくりと顔をあげれば、そこには修ちゃんが凄い形相で私の腕をつかみながら立っていた。
「離してよ」
「そう言われて離すわけねーだろっ!」
「離してって言ってるでしょ!!」
私は強くつかむ修ちゃんの手を振りほどこうとした。
それでも私が修ちゃんの力に敵うはずもなく、そのまま私の体は修ちゃんの腕の中に収まった。
「頼むから、それだけはまじで勘弁してくれよ…。お前がいなくなって悲しむ奴がどれだけいると思ってんだ」
「そんな人…」
いるわけないじゃない。
こんなに多くの罪を犯してきたのだ。
許されるわけがない。
「俺が傍にいてやるから。卒業までアメリカには行かねーから」
「…しゅ…ちゃ、ん…」
ずっと我慢していた涙が溢れだし、私は修ちゃんの服をギュッとつかんで子どものように泣いた。
私は、ずっと誰かに助けてほしかっただけだった。
押しつぶされそうな重圧の中、何が正しくて何が間違っているのかも分からず、只々征十郎に従うことが正しいんだって信じ込んで…。
修ちゃんがいてくれるだけで、私の心は束の間の安心を得られた。
…それでも、私の罪が消えることはないことは、私が一番よく分かっている。