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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第24章 誰でもない私のせいで



少し経って、試合があった。

チームプレイをなくす体制になってから、初めての試合だった。

私はいつものようにそのスコアを担当していたが、それもまた苦痛であった。


「青峰抜いたっ速えぇー!」

「だがヘルプも早い!二人だ!」


ダメよ…そんなんじゃ…。


「…ってうおっ!?そのままいったぁ!」


誰も彼らを止めることなんてできるわけないのだから。


「青峰だけじゃねぇ!どいつもこいつも一人で決めちまう…」

「これが『キセキの世代』!どうすりゃいいんだこんなん…!」


どうすることもできない。

チームプレイを失くした彼らは、以前にも増して強くなった。

100点ゲームなんて当たり前だ。


…でも、こんなのチームなんて呼ぶことはできない。


試合終了後、次にも試合は控えているので、レギュラー陣はそれぞれアップをしたり、休憩をとっていた。

私とさっちゃんは、次の試合の準備に取り掛かっていた。


「…よし、メンバー表できたよ」

「うん」

「カスミン?」


ドリンクも作り終え、タオルも用意した。

スコアブックのメンバー欄も提出用のメンバー表も書き終わった。


「…さっちゃん、ごめん。私…もうスコア書けないや」


逃げだってわかってる。

さっちゃんに自分の嫌なことを押し付けていることもわかっている。

でも、これ以上変わっていく皆を見ていられない。


「なっ何言ってるの!?次の試合もカスミンがスコアを書くように赤司君から言われてるでしょ!?そんなこと…」

「わかってるわ…。でも、ごめん」

「ちょっ…カスミン!!」


スコアブックを無理やりさっちゃんに押し付けて私はその場から逃げた。


ごめんね、さっちゃん。

さっちゃんだって苦しいのに。

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