第24章 誰でもない私のせいで
この傷は私への戒め。
その傷が消えてしまえば、私は罪の意識から逃げようとしてしまうだろう。
そんなこと絶対に許されない。
「お願いします」
「……」
母は断固として許さなかった。
それでも私がずっと嘆願し続け、最終的には好きにするといい、と言った。
医師も私がそう言うのなら…、と額の治療を辞めた。
「ねぇ、華澄…あなた一体何があったの?この間から変よ」
「なんでもないわ。心配しないで」
「ママにも言えないことなの?最近はひとりで帰ってくるし…もしかして赤司君と何か…」
「征十郎は悪くないわっ!何も関係ない!お願いだからほっといてちょうだい!」
「そう…。あなたがそう言うのなら、もう何も聞かないわ。でも、本当に辛くなったら言うのよ?ママやパパには言えなくても、修ちゃんにくらいは言えるでしょう?」
「……大丈夫だから、本当に何もないのよ」
病院の帰り道、私の様子のおかしさから母は心配してこう言ってくれるが、私はこの優しさを突き放すことしかできない。
誰かに甘えてはダメだ。
私なんて誰かに心配される筋合いもないのだから。