第24章 誰でもない私のせいで
翌日からは普段通りに登校し、普段通りに部活に参加した。
昨日泣きすぎたせいもあって、瞼は信じられないくらいに腫れ上がっていたが、伊達眼鏡をかけ、心配する友だちにもなんとか誤魔化した。
部活は苦痛だった。
何もかも変わってしまい、私の世界は色を失ったかのように体育館内がモノクロに見えた気がした。
征十郎とは一緒に帰らなくなった。
大ちゃんは部活に全く来なくなった。
あっくんも部活には来なくなったし、廊下で会っても以前のように私に抱き付いてくることはなくなった。
週一の皆でもご飯もなくなった。
そして、誰も笑わなくなった。
「骨も順調にくっついてきてるね。額の傷もこのままきちんと薬を塗ってれば、傷は残らないと思うよ」
一週間後の検診で私は部活を休み、母と病院を訪れていた。
「そうですか。良かったわね、華澄。傷は残らないって」
「薬を塗らなければ、傷は残るんでしょうか」
「…華澄?」
嬉しそうに私に言う母の言葉を無視して私は、目の前の医師に問いかけた。
「うーん。そりゃねぇ、薬だけじゃなくちゃんと治療しないと綺麗に全部消える、ってことはないよ」
「では、もう額は治療していただかなくて結構です」
「え?」
「華澄!?何を言っているの!?」
医師は困惑の表情を見せ、母も慌てた様子で私を止める。
「あなた女の子なのよ?傷なんか残ったら…」
「お願いします。この傷は消さないでください、絶対に残るようにしてください」