第24章 誰でもない私のせいで
「…珍しく灰崎から連絡があったと思ったら、お前何やってんだよ…。んなずぶ濡れで風邪でも引いたらどーすんだ」
「…ごめんなさい」
「いいから帰るぞ」
修ちゃんは私の手を引いて店内を出て、家まで送ってくれた。
家に着くまでの間、修ちゃんは何も話さず、私にも何があったのか聞かなかった。
「ちゃんと風呂であったまって寝るんだぞ」
「うん」
「叔母さんには俺から話しとくから」
「うん」
何があったのかまだ知らないはずの修ちゃんが母に何を言ったのかは知らないが、優しい修ちゃんのことだから、母に心配かけないように説明してくれたに違いない。
私がお風呂に入っている間に、修ちゃんは帰っていってしまった。
「…修ちゃんだって、大変なのに…」
修ちゃんの悩みに比べたら、私のことなんてなんてことないのに、修ちゃんはいつも私を気にかけてくれる。
私は、どこまで従兄に甘えれば気がすむのだろう。
私は…、どこまで他人を傷つければ気がすむのだろうか。