第24章 誰でもない私のせいで
私が俯きながら言うと、祥ちゃんは視線を窓の外に移して小さく息をついた。
「…別に。俺ぁ、バスケ辞めたこと後悔してねーよ。赤司に言われたとこで続けてー奴はそれでも続けんだろ。俺は自分の意志で辞めたんだからよ。オメーに何の責任があんだよ、気持ち悪りぃ」
「…でも…!」
「華澄っ!」
私を呼ぶ声がして振り返ると、そこには修ちゃんがいた。
部活を引退して、放課後も早々と帰っていた修ちゃんは既に私服に着替えており、息を切らした様子でこちらへ向かってきていた。
「おー、案外早かったな」
「灰崎、何があったんだよ」
上手く状況がつかめないまま二人のやり取りを黙って見ていると、祥ちゃんはいつの間にか修ちゃんに私を迎えに来るように連絡していたらしい。
「んじゃ、お迎えも来たことだし、俺行くわ」
「おう、サンキュー」
修ちゃんが来たことによって、祥ちゃんは鞄を持ち、そのまま帰っていった。