第24章 誰でもない私のせいで
そして、そのまま私は祥ちゃんの傘に入れてもらって、学校の近くのマジバに入った。
「オラ」
「…ありがと…」
祥ちゃんはあったかいミルクティーを買い、私にくれる。
それを受け取り、喉に通すと、甘ったるさと温かさが口に広がった。
「んで、お前は何であんなとこでびしょ濡れになってたんだよ。怪我したのと関係でもあんのか」
「……」
「それとも、赤司となんかあったのかよ」
話してもいいのだろうか。
ここで、甘えてもいいのだろうか。
でも、祥ちゃんにとって私も恨んでいる人のうちの一人なのだろうし、何よりバスケ部の話なんてきっと聞きたくないに違いない。
私がずっと黙り込んでいると、祥ちゃんはため息をついて、呆れた目をして私を見た。
「…あのなぁ、俺はもうバスケ部とは無縁の人間だぜ?どーせオメーのことだからそのまま誰にも話さねーで溜め込むんだろ?いいから話せよ」
「……祥ちゃん…」
一度止まっていた涙が再び溢れだし、私はポツリポツリと、怪我をしたこと、その前に征十郎に言われたこと、バスケ部が変わってしまったこと、そして、それは全て私が悪いこと。
全て話した。
元々、人の話を聞くことは嫌いなはずの祥ちゃんは黙って私の話を聞いてくれた。
「…祥ちゃんが退部になったのも、私のせいなの…。私が征十郎を止められなかったから…」
「……」