第24章 誰でもない私のせいで
どうして征十郎が謝るの…?
私が勝手に足を滑らせて落ちただけなのに。
「私が、足を滑らせて階段から落ちてしまったの。近くに征十郎がいたから、そう言っただけじゃないかしら…」
「そう…。でも無事で良かったわ…。怪我も大したことないらしいから、明日には退院できるってお医者様が言っていたわ」
「全く…。お前のその運動神経の悪さはどうにかならないのか?学校から連絡が来た時は肝が冷えたぞ」
「心配をかけて、ごめんなさい」
父と母は私が謝ると、呆れたような顔をしていたが、笑いながら頭を撫でてくれた。
その翌日。
私は一応検査だけ受けたが、怪我以外には何の異常もなかったため、無事退院をした。
今回の私の怪我は、奇跡的にも左腕の骨折と左額の大きな傷くらいで、後は背中に大きな打ち痣や左膝を大きく擦り剥いているだけで、大事に至らなかった。
我ながら悪運の強い奴だと、しみじみ思った。