第23章 私を認めて
…痛いわ。
それに頭もボーっとする…。
腕や足も思うように動かせないし……何より髪がドロッとした何かでベトベトする…。
「華澄っ、しっかりしろ!!」
私の近くへ来てしゃがみ込んだ征十郎は、その膝の上に私を抱きかかえる。
あら、私…階段から落ちたの…?
本当…運動音痴にもほどがあるわね…。
「藍ちん!藍ちん!!」
ぼやけていく視界の中に慌てた様子の皆の様子が見えた。
「…せ…じゅ、ろ…」
薄れゆく意識の中で、最後に私の視界に映し出されたのは、今にも泣きそうな征十郎の顔だった。
――― …ねぇ、お願い。そんな顔しないでよ。
…お願いだから…笑ってよ。
この日、私たちの全ては崩壊した。